今回の動画は投資界の侍バージョンです。
新NISA枠の積立投資枠600万円をファングプラスで埋め、成長投資枠1200万円をSP500で埋めると、いったい積立期間中の評価額はいくらになるのか?このパターンをシミュレーションしていきたいと思います。
S&P500のステータス
SP500はもはや説明不要だと思いますが、投資界の王者です。
1985年から2023年の平均リターンは約10%、標準偏差は16.66%で、長期的な右肩上がりを継続しています。
このSP500をコアサテライト戦略のコアとして資産を形成していくことにもはや異論を唱える人なんていないと思います。
FANG+のステータス
一方でファングプラスは投資界のサラブレッドで、最近の積立投資ランキングでも上位に入るほど、とても人気の商品です。
このファングプラスは登場してまだ期間が短いですが、過去5年の平均リターンは驚異の37.4%、その分、標準偏差は28.1%とボラティリティーが高いです。
しかし、資産形成期中にお金を少しでも増やしていくためには、ある程度のリスクを受け入れなければいけません。
そのリスクをファングプラスという商品で受け入れていきます。
シミュレーション
今回は、エスピープラスのシミュレーションを行い、彼の真の実力を測っていきます。
投資割合はSP500に66.7%、ファングプラスに33.3%です。
10万円であればSP500に66700円、ファングプラスに33300円です。
2007年1月から2024年3月までの日次データから平均年利、標準偏差、相関係数を求めました。
導き出した数値がこれです。
平均年利は19.08%、標準偏差は19.41%、相関係数は0.796です。
やはり二つの指数には強い正の相関が見られます。
導き出した数値によりモンテカルロシミュレーションが実施可能ということです。
詳しい計算式などは難しいため省略させてもらいます。
毎月の投資金額は3万、5万、7万、10万円で見ていきましょう。
年間のコストはSP500で0.09372%、ファングプラスは0.7755%で求めます。
この場合の、5年後から15年後までの評価額を予測していきます。
エスピープラスライダーの実力【月3万円】
まずは月3万円をエスピープラスライダーにぶっこんだときのシミュレーション結果です。
イーマクシスのSP500に2万円、ファングプラスに1万円、年間36万円、愚直に投資を行うって感じです。
5年後には全体の中央値で256万円、10年後には830万円、15年後には2071万円となりました。
今の物価で老後資金は解決ですが、15年後はさすがに物価も上がっているでしょうから、少し物足りない感じがします。
また、これから15年間、このエスピープラスライダーが不調だったとしても、1140万円になっていますね。
最悪のケースも想定するなら、もう少し入金力を上げていきたいところです。
エスピープラスライダーの実力【月5万円】
次は月5万円をエスピープラスライダーに投資したときのシミュレーション結果です。
イーマクシスのSP500に3万3千円、ファングプラスに1万7千円、年間60万円の投資です。
5年後には全体の中央値で428万円、10年後には1366万円、15年後には3546万円となりました。
これであれば物価が上昇したとしても老後資金は解決するのは間違いないでしょう。
最悪のケースを想定するなら、毎月5万円ではちょっとだけ足りないかもしれません。
エスピープラスライダーの実力【月7万円】
次は月7万円をエスピープラスライダーに投資したときのシミュレーション結果です。
イーマクシスのSP500に4万7千円、ファングプラスに2万3千円、年間84万円の投資です。
5年後には全体の中央値で604万円、10年後には1884万円、15年後には4783万円となりました。
最悪のケースを想定したとしても、15年後には2623万円が期待できますので、毎月7万円の入金力さえあれば、老後資金は解決できそうです。
エスピープラスライダーの実力【月10万円】
次は月10万円をエスピープラスライダーに投資したときのシミュレーション結果です。
イーマクシスのSP500に6万6千円、ファングプラスに3万4千円、年間120万円の投資です。
この場合、15年目で元本1800万円になりますので、ちょうど新ニーサ枠を埋めきっていますね。
5年後には全体の中央値で856万円、10年後には2754万円、15年後には7063万円となりました。
最悪のケースを想定したとしても、15年後に3829万円が期待できます。
しかも上位20%の中央値で1億円を突破してきているあたり、とても夢があるかと思います。
毎月10万円を入金すること自体がかなり難しいとは思いますが、もし余剰資金でこのエスピープラスライダー作戦ができれば、老後にお金に悩むことはきっとなくなるでしょう。
エスピープラスライダーの下位20%中央値
未来予想図を描くときは低めに見積もっておいた方が良いということもありますので、それぞれの下位20%の中央値を並べてみていきましょう。
下位20%の結果になったとしても毎月7万円を投資できれば、15年後には2623万円になり、老後資金問題は解決できそうです。
この下位20%の中央値の結果になるということは、年平均リターンが5年後に約1.73%、10年後に約3.95%、15年後に約5.01%の結果に終わる必要があります。
いかがでしょうか?
SP500でも過去の年平均リターンは約10%ある中で、この結果になるということは少し考えにくいと思います。
さらに深ぼって考えていきます。エスピープラスライダーの能力は平均年利で19.04%です。
これからの15年間でリーマンショック級の暴落が何回襲ってきたら、この5.01%に近づくと思いますか?
例えばリーマンショック級の暴落がどこかで1回来ると想定します。
これは十分考えられるシナリオです。
そして残りの14年というのはこの平均年利19.08%だったとします。
そうすると平均年利は13.95%になります。
じゃあ、これから15年間でリーマンショック級の暴落が2回来たらどうなるか?
この場合は平均9.04%になります。
これでも下位20%の中央値の平均年利の5%までは行きません。
じゃあ、3回だったらどうなるのか?
この場合は平均4.34%になります。
つまり、これから15年の間にリーマンショック級の暴落が3回も来たら、下位20%の中央値の結果に近くなるということです。
しかしこれは、株価が下落した後の急騰は織り込んでいません。
普通は株価が下落したら反発しますので、3回も来たら残り12年の平均年利は19.08%を超えてくることは想像できます。
つまり最悪の結果になるということを想定するのは少しネガティブなんだろうと考えられるわけです。
どうでしょうか?
みなさん、これから15年間でリーマンショック級の暴落が3回も来ると思いますでしょうか?
私の意見としては来ないと思います。
こちらは過去100年の米国株の暴落の周期を示しています。
市場は周期的に暴落することがお分かり頂けるかと思います。
株価の暴落は過去100年で8回、約12年に1回のペースです。
2020年のコロナショックを直近の暴落と考えれば、次は周期的に考えれば2032年に暴落が来ます。
さきほどの下位20%の中央値ではリーマンショック級の暴落が3回来た場合の想定です。
これは5年に1回の確率です。
やはりどう考えても下位20%の中央値の結果は行き過ぎた想定かもしれません。
加えてコツコツとSP500、ファングプラスを積立投資を実行していくわけですので、高い時には少なく、安い時には多めに購入するドルコスト平均法を実現できますし。
今回ご紹介したエスピープラスライダー、攻めがお好きな方にとっては、良い戦略かもしれません。