問題です。
オルカンを買えば世界のすべての国に投資ができると思いますか?
正解は、オルカンを買ったからと言って世界のすべての国に投資ができるというわけではありません。
今回は成長投資枠1200万円をナスダック100で埋めて、積み立て投資枠の600万円はオルカンで埋めていった場合のシミュレーションを過去のパフォーマンスに基づいて行います。
ナスダックでハイテク企業の未来の成長、そしてオルカンで世界経済の成長を取り込んでいくこのポートフォリオで新NISAを埋めていく人、けっこういるんじゃないかな?
オルカンについて
まずそもそもオルカンとは一体何なのか?というところから解説していきます。
オルカンとはオールカントリーの略語で、その名の通り、全世界の企業に時価総額加重平均で投資をしていく商品です。
こちらは楽天証券さんのNISAでの買い付け金額のランキングですが、このように一番人気があるのがイーマクシスシリーズのオルカンです。
コストも年間0.06%ほどとマジでコストがクソ安いです。
しかし楽天さんも最近すごく頑張っていらっしゃって、コストを安くしたSP500やナスダック100、オルカンを次々と発売されておられます。
私達個人投資家にとってはコスト競争が起きていることって大歓迎なわけですので、良い事ですよね。
オルカンの過去の実績を見ていきます。
ご覧のように基本的には右肩がりで成長しています。
注目は為替ヘッジなしなので2022年の利上げショックの時も円ベースでは下落していないということですね。
しかし逆に考えれば、円高に振れていったときは基準価額が下がっていきます。
だから為替ヘッジなしは一長一短なんです。
こちらはオルカンを国別に見た割合になりますが、先進国が89%新興国が11%という割合です。
全世界と言いながらも新興国への投資割合が少ないため、もし中国やインドなどの新興国がこれから来ると考えているのであれば、オルカンとは別に目をつけている国の投資商品を検討したほうが良いかもしれません。
そして国別に見たときは先進国が23か国、新興国が24か国なんですが、米国が62%も占めているんですよね。
巷では全世界か?SP500か?ってけっこう比較されがちなんですけど、なんかオルカンと言いながらもプチ米国株じゃねーかよと思うのは私だけでしょうか?
またオールカントリーと言いながらも、オールカントリーではないんですよね。
こちらはオルカンの投資国を世界地図で見たグラフィックです。
オールカントリーと命名されてはいるものの、決して世界のすべての国をカバーしているわけではないということが分かります。
そしてオルカンは新興国が含まれているので地政学的リスクが多少なりとも含まれているということを忘れてはいけません。
先進国が89%も占めているので安心は安心ですが、11%は新興国ですので、この先進国と比べて相対的に高い地政学的リスクを完全に排除することは無理なんですよね。
そしてこちらの円グラフは世界全体に占めるGDPのシェアを新興国とそれ以外で示していますが、新興国市場は世界のGDPの約40%を占めています。
これは、新興国市場が世界経済において重要な役割を果たしていることを示しています。
しかしインデックス内ではその割合が約11%ということで、新興国市場の経済的重要性がインデックスの構成に完全に反映されていない可能性があるということも念頭に置いていく必要があるかもしれません。
しかしこれからは新興国市場が成長すると言われています。
こちらは2023年の世界のマーケットリターンを示していますが、最も高いパフォーマンスを発揮したのは日本です。
次いでSP500、ユーロ、そしてMSCIの新興国市場でした。
中国は不調でしたね。
2023年の結果だけ見ると、オルカンの中で先進国がリードし、新興国が足を引っ張っていたわけです。
しかし、バリュエーションを考慮したバンガードの経済モデルでは、今後10年間の米国株のリターンが年平均4.2%から6.2%になると予測されています。
他の地域ではさらに楽観的、米国以外の先進国市場では年率 7% ~ 9%、新興国市場では 6.6% ~ 8.6%と予測されています。
それを信じるのであれば、オルカンはお互いにリターンを補完できる可能性があります。
このオルカンはMSCIオールカントリーワールドインデックスに連動するように運用されており、上位10社の企業がこちらになります。
全世界と言いながらも、中身は60%が米国だし、上位10社も米国企業なんですよね。
このオルカンを買っておけば世界の3000社に分散投資できるんですが、上位10社で32.6%も占めています。
だからオルカンと言えども、現在は米国企業に大きく依存していると言えますよね。
ただ、構成銘柄や比率はその時の企業価値によって変わっていくので、他の国の企業が大きくなってきたらその株が組み入れられますのでリスクコントロールという意味ではとても良い戦略だと思います。
ではここからはオルカンとSP500とナスダック100のリスクとリターンを見てきましょう。
まずはオルカンですが、20年、30年で見れば円ベースで換算した時の1年の平均リターンは9%から10%ほどでリスク、リスクとは値動きの大きさですが、18%ほどです。
SP500も同じように円ベースで長期で見ると、リターンは11%ほどでリスクは18%ほどです。
続いてわれらのナスダック100ですが、リターンは11%から15%、リスクは21%から28%の範囲になっています。
オルカンのシミュレーションをしてみよう
オルカン、SP500、ナスダック100ともにITバブルとITショックを除いた過去20年の円ベースでの年率平均リターンと標準偏差の数字を使い、統計的パラメータに基づいたモンテカルロシミュレーションを行い、未来の予測値を導き出します。
ITバブルとITショックの数字を省いているため以前までの動画で紹介していた予測値よりもボラティリティが低くなるため、数字が変わってきますが、こちらの方がより現実的な予測値に近い可能性があります。
ということでシミュレーションの条件です。
入金は毎年360万円、最速で新ニーサ枠の1800万円を埋めきります。
そのパターンの5年後10年後15年後20年後25年後30年後の上位20%、全体、下位20%の中央値を出していきます。
オルカン600万円 NASDAQ100 1200万円
まずオルカンに600万、ナスダック100に1200万投資を行った場合の未来予想図です。
上位20%の中央値は約8億6200万円、全体の中央値は約4億1200万円、下位20%の中央値は約2億800万円です。
リターンがナスダック100への投資が多いため、全体の中央値と上位20%の中央値が特に高くなっています。
ただし、これらのシミュレーション結果は仮定に基づくものであり、実際の市場動向とは異なる場合がありますのでご参考程度で見て下さいね
オルカン1200万円 NASDAQ100 600万円
続いてはオルカンに1200万円、ナスダック100に600万円をブッコんだ時の未来予想図です。
上位20%の中央値は約6億400万円、全体の中央値は約3億3300万円、下位20%の中央値は約1億8400万円です。
オルカンに対する投資が増えたことで、リスクは若干低下し、長期的なリターンの中央値もやや低くなっています。
これは、オルカンのリスクとリターンがNASDAQ100に比べて低いことを反映しています。
しかし、依然として高いリターンを達成していることが分かります。
S&P500 1800万円
パターン3はSP500全ツッパです。
上位20%の中央値は約4億3100万円、全体の中央値は約2億3300万円、下位20%の中央値は約1億2900万円です。
NASDAQ100 1800万円
最後にナスダック100に全ツッパです。
上位20%の中央値は約10億1500万円と10億円を突破しました。全体の中央値は約4億4200万円、下位20%の中央値は約1億6400万円です。
オルカンをブレンドするメリット・デメリット
オルカンをブレンドするメリットを改めて考えますが、ナスダック100全ツッパと比べるとこのように振れ幅が小さくなっています。
オルカンに1200万円、ナスダック100に600万円のブレンドコーヒーの上位20%の中央値と下位20%の中央値の振れ幅が約4.2億円ですが、ナスダック100全ツッパの振れ幅は約8.5億円です。
もしもナスダック100がこれから過去以上に成長した場合は10億円を突破する可能性もあるわけなのでこれをどう考えるか?はみなさんのリスク許容度次第といったところでしょうか
これをSP500と比べてみると、やはりポートフォリオの一部にナスダック100を入れない理由はないかもしれません。
SP500全ツッパよりも振れ幅は大きくなりますが、上位20%の中央値も下位20%の中央値もSP500よりを上回ります。
まぁ、どちらにしても元本1800万円を大きく上回っているので、投資をしないという選択はありませんね。
じゃあオルカンとナスダック100の割合が違うとどのような違いが生まれるのかを最後に見ていきます。
新NISA枠をちょうど埋めきる5年後ではそこまで差がないように見えます。
しかし年数が経てば経つほど指数関数的にその差が拡大しています。
やはりこのデーターから言えることは
ナスダック100は最強であるということです。
SP500やオルカンをメインにして、サテライトとしてナスダック100に投資をしていくことで億り人になれる近道なんだと思います。
ただしこれは勝手な個人の感想ですから、参考にはしないでくださいね。