今回は成長投資枠1200万円をナスダック100で埋めて、積み立て投資枠の600万円は米国株の王道であるSP500で埋めていった場合のシミュレーションを過去のパフォーマンスに基づいて行います。
成長投資枠であればニッセイなすび、楽天証券なら楽天ナスビも買えますし、このポートフォリオで埋めていく人もけっこういるかもしれませんね。
私は積み立て投資枠を大和のナスダック100で埋める予定です。
成長投資枠はヘルスケアセクター、生活必需品セクターで埋める予定です。
また今回の動画ではこのパターンで1800万円を埋めた場合の上位20社の保有額がどれほどになるのか?についても深掘りしていますので最後までご覧いただけますと幸いです。
ナスダック100とSP500のブレンドコーヒーのパフォーマンスをシミュレーションの結果も交えてご紹介していきたいと思います。
それでは行ってみましょう。
S&P500とNASDAQ100のパフォーマンス分析
今回は成長投資枠1200万円をナスダック100で埋めて、積み立て投資枠の600万円は米国株の王道であるSP500で埋めていった場合のシミュレーションを過去のパフォーマンスに基づいて行います。
まず2003年から2023年までの過去20年のパフォーマンスを確認していきましょう。
赤のラインがナスダック100、青のラインがブレンドコーヒー、緑のラインがSP500です。
20年間の平均のリターンはナスダック100が約15%、ブレンドコーヒーが約14%、SP500が約10%でした。
やはりここ20年のナスダック100の成長率は凄まじいものがあります。
ただしこの期間は2000年から2002年にかけてハイテクセクターが3年連続で暴落したITショックを含んでいませんのでご注意くださいね。
続いてはナスダック100にSP500をブレンドしたことでどれだけリスクが軽減されたのか?を見ていきます。
ここで言うリスクとは年間の最大下落率をどれだけ抑えることができたか?で見ています。
この期間のナスダック100のワーストイヤーはマイナス41%、ブレンドコーヒーはマイナス40%、SP500はマイナス37%でした。
ナスダック100全ツッパよりもワーストイヤーの低下率は減少していますが、そこまで大きなリスク低減効果はないということが分かります。
続いては投資の効率性を見たシャープレシオです。
シャープレシオは、投資のリスクに対するリターンを評価するための指標です。
この比率は投資から得られるリターンをその投資が持つリスクに対してどの程度効率的かを示しています。
この比率が高いほど、リスクに対して高いリターンを得ていると評価され、投資効率が良いとされますが、最もこのシャープレシオが良いのはナスダック100です。
次いでブレンドコーヒーで、最も低かったのはSP500でした。
S&P500とNASDAQ100の構成セクターの違い
こちらはナスダック100とSP500を構成するセクターの割合を示しています。
ご覧のようにナスダック100は情報技術やコミュニケーションサービスのハイテク関連セクターが実に60%以上含まれています。
一方でSP500もハイテク関連セクターが35%ほどと、多くを占めています。
しかしヘルスケアセクターや一般消費財、金融なども10%以上を占めていますので、ナスダック100よりもセクター分散が効いているということになりますね。
より視覚的に分かりやすいようにSP500とナスダック100を構成するセクターを棒グラフで並べてみました。
青の棒グラフがSP500、赤の棒グラフがナスダック100です。
ご覧のように情報技術や通信サービスセクターが多いという事が分かります。
一方でSP500はナスダック100に比べて金融、ヘルスケアセクターの割合が多く、多くのセクターを時価総額加重平均に沿ってホールドできると言うことが分かりますよね
しかし、多くのセクターを取り入れるという事は好調なセクターも不調なセクターも取り込みます。
こちらは2017年から2023年10月31日までのテクノロジーセクターとエネルギセクターのパフォーマンスを比較したものです。
ここ最近はテクノロジーセクターが好調でしたが、エネルギセクターはご覧のように不調でした。
SP500にはエネルギセクターは5%ほどしか入っていないので他のセクターほど影響力はないんですが、成績が良いセクターのリターンを減らしてしまうというデメリットがあります。
ただこれはお互い様という側面もあって、お互いが助け合って指数全体で成長していければいいんだという解釈もできますよね。
チームプレイと一緒ですね。
みなさんはチームプレイは得意ですか?
個人プレイが得意ですか?
○○プレイが得意ですか?
こちらはセクターではなく個別企業の割合を見た円グラフになります。
細かいところは良いんですが、SP500はマイクロソフトやアップルなどの上位20社で指数全体の約40%を占めています。
つまりこれらの上位企業の株価に指数全体が大きく依存するということですね。
例えばSP500を1800万円持っていた場合の上位20の個別株をどれほど保有することになるのか?を示しています。
ご覧のようにマイクロソフトやアップルなどの優良企業の株をこれだけ保有することになります。
どうですか?知らない、聞いたこともない会社ってほとんどないですよね?
「自分に理解できないビジネスに投資しない」というバフェット先生の教えも再現できています。
この名言、私はめちゃくちゃ好きですね。
SP500に採用されている企業全てを知ることは素人の私には到底無理なことですが、せめて採用されている指数の上位企業は知っておきたいですよね。
そしてマグニフィセント・セブンと呼ばれるアップル、マイクロソフト、Google、アマゾン、メタ、エヌビディア、テスラがSP500に占める割合は約30%です。
たった7社で500社のうちの30%を占めているんでよね。
凄くないですか?
ビッグテック企業の影響力って。
黄色の網掛けはマグニフィセント・セブンになりますが、SP500と言えどもこの七人の侍が指数に与える影響は絶大なんです。
SP500を1800万円持っていたら、ざっと500万はマグニフィセント・セブンです。
こちらはナスダック100の割合を見た円グラフになります。
ナスダック100はマイクロソフトやアップルなどの上位20社で指数全体の約60%ほどを占めています。
SP500よりも尖っていますね。
例えばナスダック100を1800万円持っていた場合、この上位20社で約1200万円を占めるというわけです。
ハイテク万歳!です。
そしてマグニフィセント・セブンがナスダック100に占める割合は約40%です。
たった7社で100社のうちの40%を占めています。
ナスダック100はマグニフィセント・セブンと一心同体です。
ナスダックホルダーの皆さん、マグニフィセント・セブンに向かって足をむけて寝てはいけません。
凄くないですか?
ビッグテック企業の影響力って。
ナスダック100を1800万円持っていたら、ざっと700万はマグニフィセント・セブンです。
もうあなたはマグニフィセント・セブンの一員です。
ブレンドした場合の構成セクターの割合
じゃあ、SP500を600万、ナスダック100を1200万持っていたらどうなるんだ?ということですが、上位20社で44%ほどになってきます。
そしてその場合の各個別企業の保有金額がこちらになります。
そしてマグニフィセント・セブンブレンドに占める割合は約35%です。
ブレンドしたとしてもマグニフィセント・セブンはマグニフィセント・セブンです。
そしてこちらがマグニフィセント・セブンの金額です。
総額で638万円です。
1800万円の投資額に対するマグニフィセント・セブンの具体的な金額をまとめます。
SP500でさえも約500万、ナスダック100に至っては700万、ブレンドしても638万です。
だからSP500だろうとオルカンだろうとナスダック100だろうとブレンドしようとも時価総額加重平均を採用している以上はマグニフィセント・セブンが死んだら死にます。
その影響度が小さいか大きいかの違いだけですね。
ただナスダック100にSP500をブレンドする一つの解釈としては青掛けのようなナスダック100にはなかった企業にも一つ一つは大きくはありませんが分散ができるという点ですね。
バークシャーハサウェイやJPモルガン、ビザなどをポートフォリオに取り込めます。
その結果、ナスダック100よりも上位20社がポートフォリオに与える影響度合いを小さくすることができます。
しかし逆の見方をすれば、マグニフィセント・セブンのようなビッグテック企業がこれから10年、20年と過去では考えられないような長期政権を握った場合はそのリターンを小さくしてしまうとも言えます。
結局は自分の投資スタイル次第です。
そしてナスダック100にSP500をブレンドすることでこういったメリットもあります。
例えば企業の数の分散と言う意味ではナスダック100でも十分分散が効いていますよね。
ただセクターの分散と言う意味ではSP500をブレンドした方ができます。
これで市場の短期的な変動に対する心理的な衝撃を緩和することができる感情的安定性が向上しますね。
これはホールド力が弱いかたや投資に慣れていないかたのパニック売却などの感情的な決定を避けることが期待できます。
この感情的な安定性はストレス耐性を高め、長期的な視点での投資戦略を維持する上で重要ですので、ブレンドすることはリターンではなく感情的に良いのかもしれません。
私はリターン追求型なので、SP500をブレンドすることはありませんが。
他にもセクターがナスダック100全ツッパよりも分散されることで、値動きの大きさ、ボラティリティを低下させることが期待できます。
またナスダック100を信じることに変わりはないけど、将来の成長セクターのリターンの恩恵をちょっとでも受けたいんだという人には良いかもしれませんね。
こちらは2003年から2023年の期間の標準偏差ですが、このようにブレンド型はナスダック100全ツッパより低くなっています。
もちろんSP500が一番低いんですが、その分リターンは少なくなります。
結局リターンを得るにはそれなりのリスクを受け入れなければお金持ちにはなれないってことですね。
そしてセクターと言うのはこのように循環すると言われています。
投資家は今の経済状況がどこにあるのか?を考えて、一つ先、二つ先に上がるセクターに買いを入れる傾向があります。
例えば、情報技術とエネルギセクターは対比関係の位置にありますよね。
このようにテクノロジーが上がった時にはエネルギーが下がっているという相関がなんとなくこのグラフでわかると思います。
だけど、こんなの面倒くさいじゃないですか。
だからSP500のようにセクターをマルっと買っておくということは個人投資家の一つの解になるんですよね。
S&P500とNASDAQ100のブレンドシミュレーション
という事で、今回もまたシミュレーションでNASDAQ100にSP500をブレンドした場合のモンテカルロシミュレーションで行いましょう。
試行回数は1000回です。
使用データは過去約40年分のナスダック100とSP500の年間リターン率を使用します。
新ニーサ枠をナスで1200万、SP500で600万、最速で埋めます。
その場合の5年後10年後15年後20年後25年後30年後の上位20%の中央値、全体の中央値、下位20%の中央値を導き出します。
この条件で全体の中央値、上位20%の中央値、下位20%の中央値を導き出します。
まずブレンドした場合の上位20%中央値は約16億円、全体の中央値は約5億2千万円、下位20%の中央値は約1億6千万円となりました。
そしてナスダック100全ツッパ、ブレンド、SP500の全体の中央値を比較します。
ナスダック100が約6億7千万円、ブレンドが5億2千万、SP500が1億9千万です。
続いては上位20%の中央値を比較します。
ナスダック100が約23億、ブレンドが16億、SP500が3億8千万です。
続いては下位20%の中央値を比較します。
ナスダック100が約1億8千万、ブレンドが1億6千万、SP500が8600万です。
各シミュレーションの具体的な数値がこちらです。
シミュレーション結果をご紹介しましたが、結局はあなたの投資戦略によります。
未来なんて分かりません。
過去の数字を使ってシミュレーションしてもあまり意味はないんですよね。
だけど前向きに投資に向き合いバイ&ホールドする心の拠りどころにはできます。
自分のお金なので最後は自己責任になってきますしね。
わたしはこの「株式投資の未来」で示されているヘルスケアセクター、生活必需品セクター、ハイテクセクターのリターンの高さを心の拠りどころにして新NISAを埋めていきます。